遂に登場16コアのモンスターCPU、AMDのRyzen Threadripper

今年はAMDが久々に調子の良い年です。

久々の完全新造を行なったCPUのRyzenシリーズが高いコストパフォーマンスと実性能で、自作市場では絶好調。ユーザーの評判も上々です。

そんな中、インテルの危機感にも火を付けた言われる、16コア32スレッド対応の一般ユーザー向けとしてはモンスタークラスと呼べるCPUの、Ryzen Threadripperが遂に登場しました。

今回はこのCPUを見ていきます。

内部では二つの8コアRyzenを接合

Ryzen Threadripperはパッケージ内部で8コアのRyzenシリーズのダイを接合する形で製造されています。

インテルはCPUの設計の改善により、CPUのコア数や組み合わせる統合GPUの規模などをかなり自由に選択出来る構造のCPUを作り上げました。

それでもチップの製造自体はダイのバリエーションがかなり多く、製造原価は結構な投資をしている形になります。PC向けCPUメーカーの巨人ならではの力業かもしれません。

これに対してAMDはそこまでの無理が利く企業体力がありませんから、できるだけ派生バリエーションの少ないCPUダイの種類でさまざまな用途を賄おうとしています。

サーバー向けのウルトラハイエンドの32コアCPUでも、8コアのRyzenを4つパッケージ内部で接合していると思われています。

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通常は弱点になる構造だが

このように2つのCPUダイを接合する構造を取ると、別ダイのCPUコアとの通信がボトルネックになってマルチスレッド性能が出きらない可能性が出るなど、一般的にはデメリットが先に来がちです。

ですがRyzen Threadripperでは、2つのダイ間の通信速度などが十分に確保できているせいか、比較的この部分のデメリットは出にくくなっているようです。

そのかわり内部的に2つのCPUダイがあることを逆に利用して、メモリチャンネル数を4チャンネル用意したり、合計64レーンものPCI-Eのチャンネルを利用可能にしています。

メモリアクセスに関しては遠い側のメモリ(他方のダイのメモリチャンネルにつながるメモリ)に対するアクセスは遅延が大きくなるなど、デメリットもあるにはあります。

その代わりメモリを4chアクセスできることで、利用可能なメモリのバンド幅は大きく広がることになりました。

この辺りのメモリ周りの特性がある程度Ryzen Threadripperの性能に影響を与えています。

マルチスレッド性能では圧倒的

さすがに32スレッド対応の処理能力は半端ではなく、マルチスレッドをフルに活用できる環境では、現在インテルのCore-XシリーズのCPUの最上位であるCore i9-7900Kを圧倒する性能を発揮します。

クロック当たり性能を表すIPCでは、現行のCoreプロセッサにわずかに及ばないRyzenシリーズですが、さすがに16コア32スレッド対応は伊達ではない感じです。

ただ、Ryzenシリーズのアーキテクチャは動画エンコードでよく使われるAVX命令の系統の実装に弱点があります。論理的には現行のCoreプロセッサの性能の半分の処理能力になっています。

この命令を多用するソフトでは、処理性能面でCore i9-7900Kと逆転するケースもあるようです。

Core-XシリーズのCPUにはさらにベクトル超を伸ばしたAVX512命令も追加されていますので、こちらを使うソフトが増えると性能面でどちらが優位になるかは判断が難しくなってくるかもしれません。

このあと秋にかけてインテルは最大18コアのCore-Xシリーズ投入が決まっているため、そちらとの兼ね合いも気になるところです。

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コスパは圧倒的、ではなくなった

16コア版のRyzen Threadripperは日本では税込み16万円程度で販売されているようです。

AMDのかなり円安に偏った為替レートの影響もありますが、アメリカ国内での販売価格から来るインパクトに比べると、日本でのRyzen Threadripperのコストパフォーマンスはかなり大人しいレベルに落ち着いてしまいました

インテルが新Core-Xシリーズの価格を思い切って下げたこともあり、純粋にコストパフォーマンスだけを見るとCore i9-7900Kとの比較ではかなり微妙な水準になった感触です。

インテルがその時々の普通の為替レートにかなり近い価格で日本国内での販売を行なうのに対し、AMDのこの部分の動きはAMDの製品の売れ行きにかなり悪影響を及ぼしているようにも思います。

この部分の改善は期待したいところです。

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