写真撮影の際には「空気」も一緒に撮っている

夏の暑い日などには、地面の上には激しく陽炎が立ちます。また、アスファルトなど大変熱くなる部分には「逃げ水」が発生したりします。

これらは空気の温度が地面付近で高くなって、それ以外の場所の温度の違う空気との間で屈折率が変化することで起こる現象ですが、こういった現象は写真写りにも影響を及ぼします。

遠景の描写が甘くなる

遠景などの写真の写りがいまひとつシャープでない、といったことが望遠レンズで遠くのものを引き寄せて撮った際には起こりがちです。

もちろんレンズの性能が元々あまり良くない場合にはその他の要因には関係なく、カチッとした写りの写真を撮ることはもともと不可能なのですが、レンズの性能が大変高くても撮影の場所やその時々の条件によっては、どう頑張ってもシャープな写真とはならない場合があります。

その原因の一つが、上にも書いたような被写体と撮影者の間にある「空気」の影響です。

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遠い被写体撮影の際には、被写体と撮影者の間の空気も一緒に撮影している

理由はまさにこのサブタイトルのとおりです。「空気感」などといった雰囲気のことではなく、物理的にそこに存在している空気が写りに影響します。

遠くの被写体を撮影する場合には、その距離の分だけ間には空気の層が存在しています。空気にもほんのわずかではありますが光を屈折させる力があります。

真空とは違い、屈折率がゼロではありません。そして、空気の屈折率は空気の密度などで変化します。

陽炎の中で遠景がゆらゆらと歪むのは、上昇気流が生じて空気の暖められ方・温度にムラが出来るために、空気の屈折率にもムラが生じて、さらにそれがどんどん変化していくためです。

また強い風が吹くときにも、やはり風の強さにもムラはありますから、どうしても空気の屈折率にムラが生じます。

一見して気がつかないような歪みでも、望遠レンズなどで拡大してしまうと、その空気の層によって歪められてしまった像が目に見えるようになります。

月を天体望遠鏡で拡大して見たことがある方は経験されていると思いますが、月の表面のクレーターなどが川底の石を見るようにゆらゆらと形が歪むのに気がつかれたと思います。

あれがまさに空気の揺らぎによる影響です。

旅客機や鉄道など大きな被写体を遠くから狙う場合には、間に存在する空気の層がその分厚くなりますから、レンズやカメラの性能だけでは本当にシャープな写真を撮れるとは限りません。

どうしても気象の状況に影響を受けてしまいます。

IMG_1489

人間がコントロールできる部分ではないだけに難しいところではありますが、でもまたそれが写真の面白いところでもあります。

陽炎越しの写真などはそれを上手く使ってやれば、夏らしさを表現する写真ともなるわけですし。

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コメント

  1. 古希爺 より:

    初めまして。
    陽炎現象ですが、ウームですね。十数年前から天体撮影したり(しなかったり)で、最近ピント合わせにダイヤルゲージを鏡筒に取付け、数枚の0.01mm単位での試写を行えばジャスピンが可能に為った筈?でしたが、立ち障かったのが正しく空気の揺れでしたね。300m先の仮目標ですら45倍でもシンチレーションが分かる程で、180倍ではとてもピント処ろじゃ無い感じで、日中の陽光下での限度を思い知らされた訳です。然し夜更の気流が安定した1〜2時頃では如何かですが、今度は10数キロ以上の大気の壁。星座対象の直焦なら何とかですが、過去に撮った木星と火星では凡その縞模様が分かる程度で、平地(海抜1桁m)での撮影での限界を感じた処です。揺らぎや湿度他全ての良条件が揃うのは年数日とからしいです。其れも当然乍ら予定されてる訳ではなく、偶然の産物によるらしいとか?。つまりゲージ取付では解決出来ない問題と思い至りました。デジカメのノイズ等はコンポジット等で大分改善される様ですが、揺らぎ自体は如何ともし難いという事ですね。

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