パソコンなどのメモリ高速化の新技術HBM

パソコンの世界でもCPUの性能とメモリの性能の差の大きさがパソコン全体の性能に影響を及ぼしています。そのような中で、メモリの性能の壁を打ち破れるかもしれない技術として注目されているものの一つがHBM(High Bandwidth Memory)です。

どうやら今年の後半からこの技術が実用化されるようです。

  • HBMとは

HBM(High Bandwidth Memory)とは、CPUとメモリとの間を信号線を大幅に増やして同時に読み込めるデータを一気に増やそうという技術です。場合によっては1000本以上の信号線を利用してデータのやりとりを行います。

通常のメモリの実装のやり方ではこれほどたくさんの信号線を使おうとすると、各信号線の間のタイミングをピッタリ合わせることが極めて難しいため、現在の通常のメモリのチップでは信号線の数は8~32本などといった穏当な数に抑えられています。

また、そもそもマイクロチップからこれほどたくさんの信号線を引き出すスペースもありません。

HBMでは膨大な数の信号線のタイミングを合わせる意味でも、配線の長さを極めて短くするためにかなり大胆な実装方法がとられます。最終的には、CPUやGPUのチップの上に直接、マイクロチップの基板となっているシリコンの板を貫通する形で、極小のピンのようなものを打ち込む形で配線を行います。

この配線用の「杭」をTSV(Through Silicon Vias)と呼びます。

組み上がられた形は、CPUやGPUの上にメモリのチップが積み上げられる形になるため、メモリのスタッキング技術とも呼ばれることがあります。

今の通常のメモリの技術で一番高速な転送速度を実現出来ているのはビデオカード用のメモリですが、HBMメモリでは最初の世代でビデオカード用メモリの最高性能の構成と同等の転送速度を実現し、2016年に登場すると言われている第二世代では倍の速度を実現出来る見込みになっています。

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    最初はビデオカードから

HBMは実装がかなり難しく最初は歩留まりも上がらないことが予想されるため、かなり高価なメモリとなるはずです。

またパソコンのメインメモリのような大容量のメモリをこの方式で実装すると、パソコンの価格がとんでもないところまで行ってしまいますので、まずは実装するメモリの容量が少なめで済むビデオカードからこの方式を採用することになっています。

GPUがフル回転で動作するとCPUなどよりもはるかに大量のデータを必要としますので、CPUよりもずっとメモリの転送速度が必要なパーツになっていることも理由です。

まだ確定情報ではありませんが、AMDが2015年中にリリースする次のシリーズのビデオカードには第一世代のHBMが搭載されると言われています。GPUのもう一方の雄であるNVIDIAは、2016年リリース予定のGPUシリーズで、第二世代のHBMを採用する予定になっているようです。
まだまだ立ち上がり始めたばかりの技術ですが、この技術が安価に利用可能になれば、パソコンの性能がまた一つジャンプアップするかもしれません。

パソコン以外でもスーパーコンピュータもGPU並かそれ以上にメモリの性能の影響が大きな装置ですので、そちらにも流用可能となれば、また世界が一つ変わるかもしれません。

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