パソコン用ビデオカードで押され気味のAMD、新RADEON発表。HBM採用で形勢逆転なるか

2105年6月にアメリカで開催中のゲーム関連情報のカンファレンスE3会場で、AMDが同社のGPUシリーズRADEONの新フラッグシップを発表しました。

製品名はRADEON R9 Fury

事前の予想通り、新方式のメモリHBM(High Bandwidth Memory)を搭載してきました。

開発されたばかりの新技術で、製品化するにはかなりチャレンジングな課題があったはずですが、それをある程度クリアしてきたようです。また、GPU自体も思い切ったペックを搭載してきました。

このあたりをもう少し詳しく見てみましょう。

HBM採用

やはりRADEON R9 Furyシリーズ最大のトピックはこの部分です。(ほぼ)GPUのチップ上にVRAMのメモリを積層する形で実装する、広帯域メモリ技術のHBMを搭載してきました。

従来のRADEONのハイエンドモデルのメモリアクセスのバス幅は512bit。他社のハイエンドモデルでも、このあたりが上限となっています。これに対してHBMではなんとバス幅4096bit

HBMは直接GPUの基板となる部分にほぼ直付けの形で実装される形態ですので、配線長が極めて短く出来ますので駆動電圧なども低く抑えることができ、消費電力の面でも有利になるメモリです。

ただ、RADEON R9 Furyで採用されているHBMは第一世代のもので、まだ駆動クロックは低めです。このため、従来のGDDR5メモリを採用するビデオカードと比べて、圧倒的なメモリの転送速度を実現するところまでは至っていません。

その部分は、来年以降の第二世代よりあとのHBMを採用するGPUまでおあずけ、ということになりそうです。

副次的なメリットとして、HBMを採用することで今まで必要だったメモリチップの実装面積が不要となり、ビデオカードは長さがとても短くなりました。

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4096SP集積

従来のRADEONシリーズと同様に、チップの製造プロセスは28nmです。

このプロセスを採用しつつ演算ユニットであるSP数としては、NVIDIA製GPUのハイエンドであるGeForce GTX TITAN Xを大きく上回る4096個を集積してきました。

性能的には素晴らしい性能が出るはずですが、その分は消費電力とチップのサイズに響いているはずです。事実、リファレンスのビデオカードでは、補助電源コネクタは8ピンが二つ必要な形になっています。消費電力は300Wを超えるかもしれません。

また、ハイエンドモデルのRADEON R9 Fury Xでは、GPUの冷却機構は液冷を採用しています。

来年のビデオカードでのリスク回避?

GPUの世界では、2016年にGPU製造プロセスが一気に進むことになっています。(20nmをスキップしてさらに微細化?)新しい製造プロセスを採用するときには、多くの場合に何らかの問題が発生してなかなか順調に量産を行うことは出来ません。

あえて転送速度の面で絶対的な有利とはならない第一世代のHBMを採用した訳は、AMDとしてはプロセスルールのシュリンクのリスクと、新しいメモリHBMの採用によるリスクが重なることを避ける意図があったのかもしれません。

RADEON R9 Furyシリーズは、HBMの「習作」という意味もありそうです。

ただ、GPUの中身自体はかなり本気度が高そうです。

GPUの動作効率自体は、今のアーキテクチャではGeForceシリーズの方が上なのですが、さすがにSP数で3割以上上回ることの性能へのインパクトはかなり大きそうです。

久々にAMDが最速GPUの名を奪還するかもしれません。

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