デジタルカメラの世界の新技術・新素材。ナノクリ、ASC、SWC、BRレンズ

今回はデジタルカメラのレンズの世界での新技術・新素材の紹介をしてみます。

すでに一般化してきて「新技術」ではなくなってしまったモノもありますが、デジタルカメラの世界で、カメラ本体のデジタルな部分とは異なり、開発のテンポがよりゆっくりなはずのレンズのジャンルでも、革新的と言える技術がここ数年で開発されてきてます。

これらについて少し詳しく説明を行ってみます。

ナノクリスタルコート(Nikon)、ASC(Canon)

この技術で先行したのはニコンです。

「ナノクリスタルコート」といえばすっかりニコンの高性能レンズのうたい文句として定着した感があります。同様の技術を持ち込んだのがCanonではASC(Air Sphere Coating)と言えそうです。

原理的には、空気をたくさん含むコーティング膜の層を作ることで、擬似的にきわめて屈折率の低いコーティング膜を形成することでコーティング膜表面での反射を極力抑えるというものです。

不要な反射は屈折率が大きく変化する部分で発生しやすいため、通常のコーティング膜との間にもう一層、実質的な屈折率がきわめて低い層をもうけることで、より不要な反射を押さえることを可能にしたのがこれらのコーティングです。

他社でも同様の技術を採用したコーティングが用いられるようになっています。

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SWC(Canon)

ナノメートルスケールのきわめて小さなくさび形の構造を持つ層を作ることで、擬似的に連続して屈折率が変化するコーティング膜を生成する、というのがSWC(Subwavelength Structure Coating)の構造です。

ナノクリスタルコートなどがレンズ面、正面からの反射抑制効果が高い技術のなのに対して、SWCではレンズ面に対して正面以外のある程度の角度を持って入射する光の反射を効果的に抑制する技術とされています。

Canonでは主に広角レンズに採用しています。

BRレンズ(Canon)

Canonが17年ぶりにリニューアルした35mm/F1.4のレンズに搭載してきたのがこの新光学素材です。

有機素材を用いた、青い光のみに対して特に大きな屈折率を持つ特殊な素材で、広角レンズなどでの青にじみの抑制に大きな効果があるとされています。

形成方法か耐久性にまだ完全ではない部分があるのか、ガラスレンズで挟み込み空気に触れないような形で実装されているようです。

35mm/F1.4といえば、今また注目が集まっていて、レンズメーカーを含め各社の技術の粋を集めたレンズ同士が戦う「戦場」ともなっているジャンルですので、Canonも描写性能にかなりの自信を持って投入したレンズではないかと思います。
他にも回折現象を利用した光学素子など、従来の常識にとらわれない部材も登場してきています。レンズの設計面でも、数値解析で利用するコンピュータの性能向上により、かつては考えられなかったようなレンズも登場しています。

デジタルカメラというと電子的、ソフトウェア的な面での進化だけに目が行きがちですが、レンズの面でもまだまだ開発の余地がある、ということをメーカー自身が証明し続けていると言ってもいいのかもしれません。

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