新GPUでもGPU性能トップの座奪還ならず。やはり優れいていたNVIDIAのGPUの処理効率

AMDはHBMという新兵器をひっさげて、鳴り物入りで新GPU、RADEON Furyシリーズをデビューさせました。4000個以上という、衝撃的とも言えるSP数を持つモンスターチップでしたが、ベンチマークやゲームの実性能では、NVIDIAのハイエンドGPUを超えることは出来ませんでした。

逆に、NVIDIAの現行GPU、Maxwellシリーズのアーキテクチャの描画性能の効率の良さが光る形になりました。

HBM+ライバルを大幅に上回るSP数でも逆転ならず

AMDはかなり本気でNVIDIAのハイエンドGPUを超えるつもりでRADEON FuryシリーズのGPUを設計したのだと思います。

プロセスルールを28nmのまま4000以上のSP数を集積すると、どう頑張ってもチップが巨大になり歩留まりも落ちてチップ単価は跳ね上がります。さらにRADEON Furyシリーズでは、HBMという新しい技術も導入していますから、さらに製品化できるチップ数は落ちるはずです。

このあたりがRADEON Furyシリーズの実際に販売される台数、価格に響いています。極端に流通する数が少なく、事実上入手は不可能な状態になっています。また価格も非常に高価で、コストパフォーマンスの点で考えると、あまり魅力的な選択肢とは言えなくなってしまっています。

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アーキテクチャの違いが性能にも

AMDがライバルを3割も上回るSP数を詰め込んだにもかかわらず実性能でNVIDIAのハイエンドGPUを超えられなかったのは、GPUのアーキテクチャの違いによるところが大きくなっています。

現行のNVIDIAのGPUでは、GPUを汎用計算やスーパーコンピュータ的に使う用途はバッサリと切り捨て、本来のGPUの目的であった画面の描画用の機能に徹底的にフォーカスした作りにアーキテクチャを変更しています。

このため現在のNVIDIAの最新のGPUでは、画面描画で利用する単精度(32bit)の浮動小数点演算性能は極めて高いのですが、倍精度(64bit)の演算性能は数世代前のGPUにも劣るほど性能が出なくなっています。この部分などが、画面描画への最適化の表れの一つです。

また、GPU側で汎用プログラムを走らせるためのプログラムの制御のための機構の一部も、GPUのハードウェアで実装することをやめ、ドライバ側に機能を移管して、CPUに負担させる部分が出ています。ここでも画面描画への最適化を行っています。

その代わり、GPUを汎用処理に用いる場合には、性能が出きらないケースが出てくる可能性があります。

こういったGPUアーキテクチャの方針転換を行ったため、一時、スーパーコンピュータ的な用途(HPC:High Performance Computing)で大いにもてはやされたNVIDIAのGPUですが、現行世代のGPUはそちらの用途には全く向かないものになりました。

このため、GPUの新たな使い道としてAIなどの新たな方向性の一つである「ディープラーニング」用途の使い道を模索しているようです。

AMDとNVIDIAのGPUのスタンスが逆転

これに対して、AMDのGPUチップはHPC用途とGPU用途のバランス型になっています。

AMD的にはHPC用途と言うよりも、GPUに汎用演算を行わせるGPGPU(General Processing GPU:汎用処理向けGPU)を目的としているかもしれません。このため、GPUとしては効率が落ちるが、GPGPU目的には現在のNVIDIAのGPUよりも適しています。

このあたりは、APUという名前を使ってGPUを統合させたCPUを製造し、単純なCPU性能では太刀打ちできないインテルのCPUにGPUをうまく使うことで対抗していこうとする施策が、単体GPUのほうにもそのまま延長されてきているとも考えられます。

とりあえず現状のGPUでは数世代前までのGPUとは、AMD、NVIDIAのスタンスが完全に逆転した格好になっています。

理想はGPGPUとかHPC目的のプロセッサと、画面描画に最適化した本当のGPUの2系統のアーキテクチャを平行して制作することですが、さすがにそこまでの企業体力は、AMD、NVIDIAの大手GPUメーカーでも持っていない、ということなのでしょう。

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